中田さんは世界を旅する中で、「日本文化が世界から評価され、
価値が高まっている」と感じ、それと同時に、「自分は日本について
何も知らないのでは?」ということに気づきました。
2009年春からはじめた47都道府県を巡る旅では、「日本の文化
・伝統・農業・ものづくり」に直接触れることを通じ、日本には世界に
誇れる文化や技術があることを”再発見”しながら、全国を巡ってい
ます。
中田さんの所属するサニーサイドアップさんより事前に来訪日時
の連絡があり、到着後は、中田さんと作業小屋のテーブルを囲み、
父と私で当園のおおまかな栽培状況をお話ししました。その後、中
田さんご自身が果樹園に足を運び、実際にサクランボを収穫しまし
た。サクランボを収穫する時に使用する高所作業台車にも乗りまし
た。
中田さんはもともとサクランボは高級品というイメージであまり食べ
た事はなかったそうです。しかし新品種の「紅秀峰」を食べてから、
その美味しさに魅了され、とても好きな果物の一つになったようでし
た。中田さんは、「完熟した紅秀峰よりも、完熟手前のやや青臭さが
残った紅秀峰が好きだ」と言っておられました。
また、脚立にのぼって「紅秀峰」を収穫されたのですが、サクラン
ボの軸を持つ手つきがよく、すぐに収穫のコツをつかんだようでした
。
その後、ラ・フランスの平棚栽培を見てもらい、立木栽培と平棚栽
培の違いについてお話をしました。「かみのやま市」ではラ・フランス
を平棚で作っていること、平棚栽培では高品質のラ・フランスができ
ること、せん定や誘引の作業に時間がかかること、雪下ろしが大変
なことなどをお話しました。最後に、作業小屋に戻ってラ・フランスを
入れる冷蔵庫も見てもらいました。
中田さんは、とても果物作りに興味があり、なおかつ農業に対して
豊富な知識を持った方で、世界に日本の良さを伝えていきたいとい
う熱い情熱を持った方でした。 また、我々に対して非常にフレンド
リーに接してくれ、最後に家族全員と記念写真を撮っていただき、
サインまでいただきました(中田さんとの記念写真は都合により公開
できません。当園にてご覧ください)。
余談になりますが、うちの子供たちもサッカーのスポ少に通ってい
るという話をしたら、「僕も小学生の頃からサッカーをしていたけれど
、学校が休みになる土日の方がサッカーの試合などで忙しくなって
休む暇がなかった」と言っていました。子供の頃から絶え間ない努
力をされていたことを改めて実感しました。
憧れの中田さんに出会えて、私を始め、家族それから従業員は高
揚感に包まれ、幸せなひと時を過ごすことができました。中田さん、
それからサニーサイドアップさんには、この場をかりて改めて感謝申
し上げます。たいへんありがとうございました。
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